上眼瞼脂肪移植|術後に起こりうるトラブル・対応

手術の詳細 ダウンタイム・術後経過 術後に起こりうるトラブル・対応

上眼瞼脂肪移植|手術の詳細

 
上瞼のへこみ(陥没、奥目)を改善する手術です。

ワキや臍(へそ)周囲から手術的に採取した脂肪組織を、上眼瞼を切開し、上眼瞼の陥没部(かんぼつぶ)に移植する方法です。
 


上眼瞼脂肪移植

脂肪を塊として採取するため、脂肪細胞を損傷することがありません。そのため、術後の脂肪の吸収が少なく、手術効果が確実です。脂肪を移植するには、まぶたの皮膚を切開する必要がありますので、目の開きが悪い方には同時に眼瞼下垂の修正をお勧めします。
 
【麻酔方法】
局所麻酔 笑気麻酔 静脈麻酔+ラリンゲルマスク 
 
 

上眼瞼脂肪移植|ダウンタイム・術後経過

 
【ダウンタイム】
個人差があります。
 
 
■ 腫 れ
 
約7~10 日間 朝晩にムクミを感じたり、目やにが増えたりします。
内出血や感染症になった場合、腫れが長引く事があります。
 
 
■ 内出血
 
注射針が当たるか手術操作によって細かい血管が傷つくと、皮膚の下で出血し、紫色になりますが、1~2 週間で消失します。上眼瞼から目の周り、脂肪採取部周囲に出る可能性があります。
 
また、白目に内出血が出現すると白目の一部が赤く見えますが、こちらも1~2 週間で消失します。
 
 
■ 抜 糸
 
5~7 日目 (二重のライン上と脂肪採取部についている黒い糸を抜糸します。)
 
 
■ コンタクト
 
当日から可能ですが、ゴロゴロと違和感があるときは中止して下さい。
 
 
■ メイク
 
アイメイクは抜糸の翌日から可能です。その他の部分は翌日から可能です。
 
 
■ 通 院
 
7 日目
 
 
■ 完 成
 
約3~4 ヶ月
 
 
【ダウンタイム後の経過】
術後は腫れやむくみがあり、希望と異なると感じることがありますが、しばらくお待ち頂くことでご希望通りに落ち着きますので安心ください。
 
1. まぶた
 
○ 腫れやムクミにより 一時的に厚ぼったさや違和感を覚えることがあります。また、一時的に目を開けづらく感じことがあります。
○ 自己組織の移植となりますので、移植した脂肪は4ヶ月の間に、若干の吸収が起こります。
 
 
2. 傷 跡
 
傷の赤みは数ヶ月かけて薄茶色(色素沈着)から白っぽい線へと変化し改善します。
 
 
3. 加齢による変化
 
手術後も、まぶたが痩せるなどの加齢による変化は引き続き起こります。
 

上眼瞼脂肪移植|術後に起こりうるトラブル・対応

【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。

 
手術後4 ヶ月間は、腫れや炎症が残っているため、手術を行うと、傷が汚くなる、癒着(ゆちゃく)が強く変形するなど、原則として調整や手術は行えない時期です。腫れや炎症が収まる4 ヶ月以降に判断し、調整を行わせて頂くことを御了承下さい。

※文中の『術後』の表記においては、初回手術を基準とさせて頂きます。

 

上眼瞼脂肪移植|トラブル一覧

 
A) 膨らみ過ぎたと感じる
B) 膨らみが物足りない
C) 上まぶたの膨らみの左右差
D) 希望の二重の幅と異なる
E) 二重幅の左右差
F) 二重の食い込みが深すぎる
G) 目が開きにくい
H) 脂肪採取部のキズアトが気になる
I) 中縫いの糸が出てくる
J) 感 染(化膿する)
K) 血が溜まる
L) 傷が開く
M) 白目や角膜の損傷
N) 眼球の火傷
 
 

A) 膨らみ過ぎたと感じる
 
A-1トラブルの内容
手術後は、まぶたや移植した脂肪組織の腫れやムクミの影響で、予想していた以上に膨らみが大きく感じることがあります。
 
ムクミが落ち着くまで4 ヶ月は経過をみていただく必要があります。移植した脂肪が多いために、まぶたがご希望より膨らみすぎることがあります。特に目を閉じた時にまぶたが膨らんで見えます。
 
A-2 対応
腫れ・ムクミは通常、時間の経過とともに落ち着いてきます。4 ヶ月経過しても膨らみが大きくて、気になる場合は、移植した脂肪を注射で溶かす、または、切開して脂肪を取り除く処置を行わせて頂きます。
 
◆ 脂肪融解注射(リポビーン)
※ 脂肪融解注射(リポビーン)施術後の1~2 週間は腫れが生じます。脂肪の減少効果は永久的なものですが、効果には個人差があります。
 
◆ 切開による脂肪除去
※ 処理を行う脂肪の量には注意を払いますが、膨らみの調節には限界があり、凹みすぎたり、膨らみが残ったりすることがありますことをご理解ください。
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B) 膨らみが物足りない
 
B-1トラブルの内容
移植した脂肪の量が少ない、あるいは術後に脂肪が吸収されて小さくなりますと、膨らみが物足りないと感じることがあります。
 
B-2 対応
膨らみが物足りなく、より膨らみを出したい場合、再度手術にて脂肪移植を行うか、又は脂肪注入を行なうか、ヒアルロン酸によって足りない膨らみを補う処置を行わせて頂きます。
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C) 上まぶたの膨らみの左右差
 
C-1トラブルの内容
移植した脂肪の量や移植した位置、術後の吸収や術前のまぶたのくぼみの左右差が原因で、手術後、上まぶたの膨らみに左右差が生じることがあります。
 
C-2 対応
膨らみの左右差が生じた場合、上記 A)・B) に準じて、処置を行わせて頂きます。
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D) 希望の二重の幅と異なる
 
D-1トラブルの内容
脂肪移植を行う際に二重を切開します。切開線の位置だけでなく、皮膚の伸び具合いや二重の癒着の深さ、眉毛の高さや目の開きといった多くの要素がからみあって二重の幅は決まるため、予定した通りの二重の幅にならないことがあります。
 
D-2 対応
① ご希望より二重の幅が狭すぎる場合は、埋没法、または切開法(基本的に術後4ヶ月以降)にて幅を広げる処置を行います。
② 二重の幅が広すぎて、狭くされたい場合の修正は、かなり困難となります。
そのため、広い二重をご希望の際は、慎重に二重の幅をお決め頂くようお願い致します。
二重を狭くしたいとご希望の場合は、低いところに新たに皮膚切開をして、二重を狭くする修正を行わせて頂きます。しかし、二重が狭くならないことがありますことをご了承ください。
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E) 二重幅の左右差
 
E-1トラブルの内容
脂肪移植を行う際に二重を切開します。切開線の高さ、皮膚の伸び具合い、二重の癒着の強さ、眉毛の高さといた、複数の要素の1 つでも左右にズレが生じますと、二重の幅に左右差が生じることになります。
 
E-2 対応
二重の幅に左右差が生じた場合は、基本的に狭い側の二重の幅を広げ、反対側に合わせることになります。その際は、上記 D) に準じます。
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F) 二重の食い込みが深すぎる
 
F-1トラブルの内容
切開法で作った二重のラインは、ラインが消えないように傷口をしっかり癒着させますので、食い込みが深くなります。4~6 ヶ月経過してむくみが落ち着き、傷跡がやわらかくなりますと、食い込みは浅くなってきます。
 
F-2 対応
二重の食い込みがどうしても気になる場合、二重のラインを作っている箇所の癒着(ゆちゃく)を弱くする処置を行います。
※ ただし、かなり調整が難しく、結果について保証は致しかねます。癒着を弱くする処置を行う事で、二重のラインが薄くなる、または、ラインが乱れてしまう可能性があることをご理解下さい。
 
その場合は、再度ラインの癒着を強くする処置が必要となります。また、同じ箇所を切開致しますので、処置を行う時期により、傷がきれいにならない可能性が高くなることをご了承ください。
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G) 目が開きにくい
 
G-1トラブルの内容
移植された脂肪の重みにより瞼が重たく感じることがあります。特に眼瞼下垂の症状がある人では、術後に眼瞼下垂が悪化する傾向があります。
 
G-2 対応
術前から目を開ける力が弱い症状(眼瞼下垂(がんけんかすい)のある人では、目の開きが悪くなることがあります。その場合、目力アップクイック法や眼瞼下垂の手術をお勧め致します。またご希望があれば、移植した脂肪の減量や切除を行わせて頂きます。
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H) 脂肪採取部のキズアトが気になる
 
H-1トラブルの内容
体質によっては、キズアトに色素沈着を起こすことがあります。またキズアトが赤く盛り上がる・凹む・段差になることがあります。
 
H-2 対応
キズアトは、通常時間とともに目立たなくなりますが、気になる場合は、状態に合わせて下記の方法を用いて改善を図ります。
◆ ステロイド注射(ケナコルト)
※ ケロイドのように赤く盛り上がったキズを平らにする効果が期待できます。十分な効果が得られるまで、1 ヶ月に1 回の治療を繰り返す可能性があります。
また、ステロイドの副作用として、皮膚やキズが凹む、細かい血管が浮き出るといったことがあります。
 
◆ ハイドロキノンクリーム
※ 色素を薄くします。
 
◆ トレチノイン+ハイドロキノンクリーム
※ 肌のターンオーバーを早め、新たな皮膚を再生させます。
キズアトが凸凹して目立つ場合は、切除し再度縫合いたします。
 
※傷を完全になくす事は不可能であり、目立たなくするという目的であることをご理解下さい。
  また、個人の体質的な要因が大きいため、キズアト修正には限界がありますことをご了承ください。
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I) 中縫いの糸が出てくる
 
I-1トラブルの内容
皮膚の下の組織を縫い合わせている糸(中縫いの糸)が出てくることがあります。
 
I-2 対応
皮膚の下の組織を縫い合わせている糸(中縫いの糸)が出てくることがあります。その場合、そのままにしておくと化膿する恐れがありますので、早めに来院して頂き、抜糸を行わせて頂きます。
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J) 感 染(化膿(かのう)する)
 
J-1トラブルの内容
赤み・腫れ・痛み・熱感が増したり、長く続いたりする場合は、感染の疑いがあります。
 
J-2 対応
感染が起きた場合は、抗生剤の投与を行います。膿が溜まっている場合は、必要に応じて傷を再度開ける、もしくは、新たに切開し、膿を出す処置を行います。
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K) 血が溜まる
 
K-1トラブルの内容
術後に傷の中で出血しますと、血が溜まってまぶたが腫れ上がります。血が溜まったままにしておきますと、感染やしこりを作る恐れがあります。
 
K-2 対応
血が溜まった場合、そのままにしておきますと感染やしこり形成の原因となります。出来るだけ早く処置をする必要があります。その際は再度傷を開け、溜まった血を排出します。
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L) 傷が開く
 
L-1トラブルの内容
稀に糸が外れて、傷が開いてしまうことがあります。
 
L-2 対応
傷が開いた場合は、再度、縫合いたします。
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M) 白目や角膜の損傷
 
M-1トラブルの内容
大変稀なことですが、可能性は否定できません。手術中に、手術器具が当たる、あるいは糸やまつ毛の先端が当たって眼球の表面に傷がつくことがございます。
 
M-2 対応
白目や角膜の損傷や眼球に火傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応を行います。
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N) 眼球の火傷
 
N-1トラブルの内容
大変稀なことですが、可能性は否定できません。手術中に血を止めるための電気メスやバイポーラによって発生した熱で、眼球の表面に火傷を作る可能性があります。
 
N-2 対応
白目や角膜の損傷や眼球に火傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応を行います。
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